わたしが子育てしてわかったことは、子育ては一人でするものではないということ。
いろんな人に協力してもらうほうが、親も余裕を持て、子どももいろんな考え方や価値観に触れて、豊かに育つと思うのです。
児童学科を卒業し、保育士の資格を持っていますが、じぶんの子育てはというとうまくいかないことばかり。
もちろん、教科書通りにはいきませんし、一度うまくいっても次は通用しなかったり。
そうきたか⁉︎の連続で、面白くもあるのですが。
子育てに煮詰まったときに、特にマンガ『宇宙兄弟』には本当にお世話になりました。
子育てに宇宙という視点を取り入れると、とても気持ちが楽になったのです。
※一部マンガのストーリーを含んでいますので、これから読む方はご注意ください。
「宇宙に行く子どもを育てている」
「われわれは、宇宙に行く子どもを育てている。
そういう時代に生きているのだから、子育てにおいては、もっと視野を広げるべきだ」
これはわたしが子育ての悩みを相談した際に、キャリアカウンセラーが言った言葉です。
この言葉を聞いてすぐ頭に浮かんだのが、マンガの『宇宙兄弟』でした。
短絡的だと思いましたが、宇宙に行く子どもの気持ちが少しでも分かれば、視野が広がるかなと思ったのでした。
また、当時小学生だった息子とも、一緒に楽しめたらいいなという思いもあり、すぐに1巻を取り寄せました。
息子が理科系に興味があったのと、1巻を読んで非常に面白がったので、残りもすべて購入しました(すべての本にカバーをかけるぐらい、何度も読み返すだろうという確信がありました)。
作品全体がリアリティに溢れている点も高評価でした。もちろん創作も含まれているでしょうが、丁寧な取材をして描かれているんだろうなと感じた点も大きいです。
今や15周年に突入した宇宙兄弟。
最新巻が出てうれしい反面、いよいよ最終章に向かっていると知って、寂しく複雑な気持ちです。
ご存知ない方のために、宇宙兄弟OFFICIAL WEBよりあらすじを引用しました。
幼少時代、兄・ムッタと弟・ヒビトは
星空を眺めながら「宇宙飛行士になる」
という約束を交わした。
時は経ち2025年。
弟・ヒビトは宇宙飛行士となり、
月面滞在ミッションに見事選ばれる。
一方、兄・ムッタは会社をクビになり、無職。
宇宙飛行士になるという夢も諦めかけていた。
弟に遥か先を行かれ、職探しをするムッタは、
「俺は今まで……
何がやりたかったんだろうか……」
と思い悩む。
そんな状態の兄を手引きしたのは、ヒビトだった。
ムッタ自身も知らぬ間に、
JAXAの宇宙飛行士選抜試験の書類審査を通過する。
そしてムッタは、諦めかけていた宇宙飛行士への道を歩みだす。
宇宙兄弟OFFICIAL WEBより引用
宇宙兄弟を読んでよかったこと4選
宇宙兄弟を読んでみて、よかったと思うことを4つ選んでみました。
視野が一気に広がる
子育て中は、目の前のことに一生懸命になりすぎて、視野が狭くなりがちです。
子どもが熱を出した、ケガをしたといっては大騒ぎ。
そんなとき、『宇宙兄弟』の物語に描かれている「宇宙に行く」という視点を取り入れるだけでも、物事を捉えるスケールが一気に広がります。
さらに、登場人物の名言が多いのも、このマンガの魅力です。
主人公ムッタの心や行動を動かす名言に、読んでいるわたしもワクワクしてくるのです。
視野を宇宙サイズに広げると、小さなことに気を取られたり、細かいことにこだわっているじぶんの器の小ささに気づきます。
宇宙からみたら、じぶんなんて点ですらないんだなぁ。
そう思うと、そんな小さなじぶんが、小さなことにくよくよしていることがどうでもよくなってきます。
気分転換になる
子育てはうまくいかないことが多いので、ストレスがたまりますよね。
日頃から、ストレスの基(ストレッサー)にうまく対処するストレスコーピングを心がけています。
そのひとつとして、何かを選ぶときに、クスッと笑えるポイントがあることを大切にしています。
『宇宙兄弟』は人物描写がリアルで、登場人物の描きわけや特徴が、実在の人のように感じます。
主人公のちょっと気弱な言動に親近感が湧き、クスッと笑えます。
他の登場人物も、宇宙に行くようなすごい人たちの設定なのに、普通にお腹が鳴ったり、それを気にしたりする。もう親近感しかありません。
子どもと共通の話題ができる
息子は理系分野に興味を持っていたのもあり、親子で夢中になって読みました。
小学校高学年にもなると難しいお年頃ですが、同じマンガを読むことで、共通の話題ができました。
また、人物描写がリアルなので、「ちょっと(知り合いの)誰々に似てるよね」と話題になったり、思春期で開いた距離をちょっとだけ縮められた気がしました。
子どもの興味が広がるきっかけに
『宇宙兄弟』を読み始めた頃(小学5年生)の息子は、
「宇宙飛行士になって、宇宙でテニスをしたい」
というのが口癖でした。
ただ当時はコロナ禍で、JAXAに行ったりして、さらに興味を深めることはできませんでした。
そうこうするうちに、マンガも読み終わり、宇宙飛行士の話題が出てくることはなくなっていきました。
中学生になった息子は、分別がついたのか、無邪気に「宇宙飛行士になる」とは口にしなくなりました(さみしい)。
その代わり、気象予報士という新たな興味の対象を見つけたようです。
車に乗っていると、雲のようすについて、時折教えてくれます。
同じ空でつながっているところから、興味が広がっていったようです。
また興味の対象は変わっていくのかもしれませんが、どこかで何かがつながっているのだと思います。
まとめ
子育てをしていると、ついつい目の前で起きていることに囚われて、近視眼的になりがちです。
そんなときに『宇宙兄弟』を読んだら、ふっと肩の力が抜けて楽になりました。
「宇宙」という視点が、子育てを楽に楽しくしてくれたのです。
これからもつい先を見すぎて不安になったり、近くを見すぎて周りが見えなくなったりすることがあると思います。
そんなときには、このマンガを思い出したいと思います。