ひかえめさんがじぶんらしく生きていけるように、「こころの天気図は じぶんが決める」というタイトルのZINEを書きました(写真左端)。
本を出すのは昔からの夢でした。わたし自身、目立つのが苦手な「ひかえめさん」です。試行錯誤の末、じぶんらしく生きていけるようになった過程を残しておきたい、と思ったのがきっかけです。
とはいえ、自称ひかえめさんのわたしが、じぶんの考えを形にして、文学フリマという場で発表することに抵抗がないわけがなく。出店までこぎつけたことに、じぶんが一番驚いています。
そこまでたどり着けたのは、気力でも体力でもなく、すべて仲間の存在と環境設定のおかげだったと思います。
出店してみたいけど自信がないというひかえめさんに向けて、出店までと当日のようすを記録しました。何かのお役に立てれば幸いです。
文学フリマとは?
作り手が「自らが《文学》と信じるもの」を自らの手で販売する、文学作品展示即売会です。ジャンルは小説・短歌・俳句・詩・評論・エッセイ・ZINEなど、さまざま。プロ・アマチュアも問わず、年代は10代〜90代まで。
要は何でもありのようです。野菜を置いているブースや、全身金銀に身を固めた芸人のような人までいました。
現在、九州〜北海道までの全国7箇所で、年合計8回開催しています。今回は、出店者・一般来場者あわせ約11,279人(出店者: 2,826人・一般来場者: 8,453人)の方が来場し、初めての1万人越え達成!
ブースを申し込み、後戻りできない環境設定
江角悠子さん主宰「京都くらしの編集室」オンラインサロンでZINEを作りたい人が集まって、部活としてZINE部が立ち上がりました。
皆で2ブース出店しようという話が持ち上がりましたが、東京は相当な出店数が見込まれるので、抽選になる可能性がありました。
そこでわたしがとった行動は、当選の確率を上げるために、ブースを申し込む役に立候補すること。これで後戻りする余地を断ちました。気持ちが後ずさり気味の人は、何か役割を買って出るといいと思います。
結果として、すべての申し込み者に対してすべて1ブースが割り振られたので、責務を果たせました。これで私の仕事は半分終わった気分に(笑)。
オンラインサロンの仲間と会えるのを励みに
ZINEを作る過程では、出店者同士のやりとりがとても励みになりました。少し先ゆくメンバーからの貴重な情報を頼りに、焦りながらも何度も救われたのを覚えています。
私事ですが、年明けにライターの仕事が2箇所決まり、環境の大きな変化についていくだけで必死だったわたし。それを言い訳に何も進んでいない自分は、いつもお尻を叩かれている気分でした。
自分はここにいていいのかな?と何度もくじけそうになりましたが、ブースを申し込んだ手前もあります。最悪の場合ZINEが仕上がらなくても行く必要がありました。
がんばったみんなを労い、応援するだけでも行く価値がある、などときれいごとを並べながら、ただみんなに会いたかっただけかもしれません。
動機は何でもいい。やり切ったじぶんに拍手!
最後はゴミをつくる勇気
ZINEをつくるのは初めての試みで、何度書き直しても、満足いかない。言いたいことがうまく伝わらない。自分が思うほど、伝えたいことなんて本当はないのではないか。このクオリティで出展したら、周りの人に申し訳が立たないのではないか。そんな考えが頭を支配して、何度も逃げ出したくなりました。
けれどその度に、京都ライター塾で習った「ゴミをつくる勇気」を思い出し、何とか踏みとどまったのです。
ゴミをつくる勇気については、江角さんの新作「文章を書いて、生きていきたい」にも書いてあります。
“最初から偉大だったものはない。どんな偉大な業績も、最初はゴミみたいなものだった。不完全さを受け入れ、ゴミをつくる勇気を持てば、私たちは始めることができる。そして一度始めれば、だんだんマシなものができてくる。”
「エフォートレス思考 努力を最小化して成果を最大化する」より
最後は時間も迫ってきたので、リミット効果を発動して仕上げました。ゴミがいつかマシなものになるようにと願いを込めながら、出発前夜に印刷して、ホチキス止めをしました。
できあがってみると、8ページのなかに、シンプルながらエッセンスを詰め込めたのではないかと思います。
会場で無償配布される布袋の底が抜けるんじゃないかと思うほど、来場者はたくさん購入していたので、薄いなりの利点もあるかと自らを慰めました。ただその薄さに引け目を感じていたのも事実。何人か手にとってめくってくれたときは、天にも昇る心地になりました!
当日はサロンメンバーが応援に来ていただき、11冊も購入していただけました。皆さまのご慈悲に、心から感謝の気持ちを申し上げます。
また、本としてのクオリティは棚上げですが、最後まで形にしたという点では、自分をほめてあげたいと思います。江角さんからも励みになるコメントをいただきました。
私はうみさんのやり切ったところ、本当に尊敬しているので、そこはぜひ自信に繋げてほしいなと思います〜!
文学フリマの前日には、京都ライター塾オフ会、プロフィール写真撮影会、撮影講座と盛りだくさんの週末だったので、別途記したいと思います。