人見知りなわたしでも、得意分野はあった
わたしは幼いころから人見知りです。コーチを名乗っているのにもかかわらず、話が得意ではありません。
大勢の人がいる場面では、緊張から思っていることの10分の1も話せません。社交性を必要とされるパーティーや飲み会も苦手です。よって、対人関係全般が苦手なのだと思い込んでいました。
苦手だと思い込んでいたので、職場の人間関係も苦戦しました。じぶんで悪いほうに思い込んで、辛くなるという悪循環でした。
そのようなときにコーチングを受け、どんなじぶんも受け入れてもらえる体験をしたのです。効果を感じるとともに、コーチングのような一対一の関係性は、むしろじぶんに合っているのだと気づけました。
そこから、相手に合わせた対応や、信頼関係の構築はむしろ得意分野かもしれない。コミュニケーション全般が苦手なのではなく、大勢に向かって話すという特定の行為が苦手なだけだったのだ。そう思えるようになったら、対人関係への苦手意識は小さくなっていきました。
それでも話が上手な人をみると、自信をなくすこともあります。
そのようなときこそ、コーチングの本質を思い出し、じぶんにできる最大限のことをしました。クライエントの内面に耳を傾け、自己理解の手助けをすることが大事なのだから、コミュニケーションの中でも聴く力を意識的に育てよう、というように。
すると、
「話を親身に聞いてくれてありがとう」
と言ってもらえるようになりました。
自分の得意分野をあきらめずに探せば、無理をせずに生きられるのです。
才能のタネへの賛辞を受け取る
おいしい果物を食べると、種をとっておきたくなりませんか?
「おいしい!また食べたい」
と思った果実の種は、発芽させる方法を調べたり、大事に育てると思います。
数年前にアボカドに初挑戦。一昨年はレモンの種の発芽に成功し、十数株の苗を育てました。今年はマンゴーに初挑戦して、5鉢が順調に育っています。
才能のタネも同じだと思うのです。
例えば、私は話を聴く能力が他の人よりも優れていると感じた瞬間、これは私の才能のタネだと気づきました。誰かの悩みを親身に聞くことで、その人の気持ちが軽くなり、前向きに進むサポートができるという発見がありました。
誰かに喜んでもらえたり、重宝されたり、感謝されたり、認めてもらえたり、また会いたいと言ってもらえたり。
そうした、誰かからの「Good!」をもらったときに、素直に受け取るのが大事です。
過去のわたしは受け取り下手で、
「いえいえ、そんな大したことありません」
「わたしなんて……」
と謙遜を通り越して卑下していました。自信がなかったからです。
他者の好意を受け取れないので、成功体験につながらない。成功体験を積めないので、自信がつかない……の悪循環でした。
今でこそ、コーチングやカウンセリングで伝える側にいるので、好意を伝える側にもある種の勇気が必要だとわかります。わたしを認めてくれた相手の気持ちを尊重して、感謝の言葉を素直に受け入れるように心がけたところ、受け取り下手を克服することができました。
今ではお礼のLINEをいただくたびに、そのメッセージをスクリーンショットにして保存しています。例えば、月に数回、クライエントから『話を聞いてくれたおかげで、前へ進めた』といったメッセージが届くたびに、それを見返して励みにしています。
得意なことや持ち味を活かし、じぶんらしく生きる
得意を活かした成功体験から、コーチの数だけそれぞれの色があっていいんだと思えるようになりました。すると、気持ちが楽になり、仕事もより楽しめるようになりました。
具体的には、初めて『この方法で無理なく進めてみては』と伝えたクライアントが、そのアドバイスを信じ、それに従って実践してくれました。その結果、ポジティブな成果が現れたと報告を受けたとき、私も一緒に喜びを感じ、その瞬間に自信が芽生えました。
このように、一人ひとりがじぶんの得意なことや持ち味を理解し、じぶんらしく生きるきっかけになればいいなと思います。